「数学的帰納法」でなぜ証明ができるのか? 解説
みなさん、こんにちは。
ハーバードです(^_^)v
先日、私の生徒が、「数学的帰納法を使うと何で証明できるのか?」と、尋ねてきました。私は、この生徒以外にも疑問に思っている人がいるのではないか、と思い記事にしました。
まず皆さんは、数学的帰納法がどのような証明方法かご存知でしょうか?
1.数学的帰納法とは?
数学的帰納法とは、自然数n(n = 1,2,3,・・・)についての命題P(n)において、
(1)n = 1 のときに、成り立つ。
(2)n = k のときに、成り立つと仮定すると、n = k + 1 のときにも成り立つ。
この(1)、(2)が、証明できれば、すべての自然数で、命題P(n)が成り立つ。
これが、数学的帰納法です。
この説明を聞いてもわかりにくいと思うので、例題を見てみましょう。
2.数学的帰納法の例題と練習問題
例題
次の等式が成り立つことを証明せよ。ただし、nは自然数である。
・・・①
解答
(ⅰ)n=1 のとき、
左辺 = 1
右辺 = = 1
よって、n=1 のとき、①は成り立つ。
(ⅱ)n=k のとき①が成り立つと仮定すると、
・・・②
ここで、②の両辺にk+1 を加えると、
・・・③
これは、n=k+1 のときにも①が成り立つことを示している。
(③は①の右辺の n に k+1 を代入したものと同じ)
(ⅰ)(ⅱ)より、すべての自然数nで①が成り立つ。//
ついでに練習問題も載せておきましょう。
練習問題
次の等式が成り立つことを証明せよ。ただし、nは自然数である。
解答は後日載せます!!
では、数学的帰納法がなぜ成り立つのか、その解説をします。
3.数学的帰納法がなぜなりたつのかー解説
ずばり、一言でいうと、「ドミノ」です。
まず、数学的帰納法では、n=1のとき成り立つこと示します。
そして、n=kのとき成り立つと仮定すると、n=k+1でも成り立つことを示します。
ここで、kに「1」を代入してみましょう。
要するに、n=k=1が成り立つと仮定すると、n=k+1=2でも成り立つ。
n=1で成り立つことは、計算で分かっているため、n=k=1が成り立つのは、仮定ではなく真実となります。よって、n=k+1=2でも成り立つ。ということがわかります。
もう、皆さんお分りいただけたでしょうか?
n=k+1=2でも成り立つ。
ということは、k=2で①が成り立つことは、仮定ではなく真実となり、k=2のときのk+1である3でも①は成り立つ、・・・
といった具合に、どんどん成り立っていく、まさに「ドミノ式の証明」なのです。
なので数学的帰納法では、最初にn=1で成り立つことを示し、n=kで成り立つと仮定すると、n=k+1でも成り立つということを、示す必要があるのです。